VHSとベータマックスのビデオ戦争
2020/09/16
1.ソニーとビクターの激しい争い
いまや一家に一台が当たり前となったVHSビデオデッキ。DVDやHDDプレーヤーが普及している中でも、まだまだ現役のレコーダーとしても活躍し続けているこのVHSビデオデッキ。しかし日本ビクターが中心となって開発したこのVHSビデオデッキが当たり前のように普及する過程には、ソニーのベータマックスとの激しい争いがありました。
2.ビデオ戦争
1980年前後には、家庭用録画機器業界にはVHSやベータマックスに加えて「U規格」、「Vコード」、「VX方式」などといった聞きなれないビデオ方式が乱立していました。しかしその機能性や価格などにより規格は徐々に淘汰され、最終的にはVHSビデオ、ベータマックスの二つの規格が残り、淘汰された規格の開発メーカーもVHSビデオ側、ベータマックス側に参入していきます。これが俗に言う「ビデオ戦争」の始まりでした。
3.両規格の特徴と明暗
ベータマックスは「高画質・高機能」を前面に押し出したデッキで、録画時間は1時間と短い変わりに、VHS以上の画質と様々な機能を搭載していきました。一方のVHSは「民生用」という特徴をフルに出し、画質や機能を必要最小限に抑え、使いやすさとバランスを意識した開発を行っていきました。録画時間も2時間と、ベータマックスの倍の時間を用意しました。VHSはこの売り方が功を奏して徐々にシェアを広げ、1988年にはベータを事実上の市場撤退にまで追いやりました。
4.ソニー、ベータマックスの敗因
ではなぜVHSよりも高画質・高機能であったはずのベータマックスが負けたのか。まず第一にはベータマックスの売り方を民生用に特化できなかったことがあげられます。VHSと比べ情報公開も少なく、高機能を求めるあまりに敷居が高い印象を与えてしまいました。そして部品数の多さから値段もVHSより高くなってしまったのも大きな要因といえるでしょう。ソニーは1984年、ベータマックスの劣勢を逆手に取った新聞広告を出します(上部画像)。しかし「ベータマックスはなくなるの?」「ベータマックスを買うと損をするの?」といった斬新な売り文句を表示したこの広告は、意図がうまく理解されずにベータ離れを加速させてしまいます。
5.ベータマックスの今後
ソニー自体がVHSの開発をはじめるなど市場からは完全に消えてしまったベータマックスですが、ソニーはしぶとく開発・インターネットなどでの販売を続けてきましたが、2002年についにそれらを完全に停止。今ではオークションなどでしか手に入らないものとなってしまいました。もしベータマックスのテープをお持ちの方でDVDやVHSに変換したいという方は、ぜひダビングセンターまでご相談ください。
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